CEMSとDouble Masters Degree Programme

商学研究科 鶴 光太郎

CEMSの概要

CEMS − the Global Alliance in Management Education は、ヨーロッパを中心とする世界トップレベルのビジネススクールと、それを支える多国籍企業の国際的ネットワークです。CEMSでは、CEMS MIM(CEMS Master’s in International Management)というヨーロッパ型の経営理念に基づく国際経営学修士コースを設けています。このプログラムに参加することにより、加盟校の学生は母校からの修士号とCEMS MIMの両方を取得できます。CEMS MIMを取得した学生は、2つ以上の国で大学院教育を受け、母国以外でのインターン等の豊富な経験を持つことから、2つ以上の言語でビジネスを行うことができるようになります。
 CEMSは、多言語を用いて、多文化が相互に関連しあう国際ビジネスの世界において必要不可欠な教育を提供することを目的としています。この目的を達成するための手段として、CEMS MIMのプログラムでは、高い倫理観を備え、グローバルに活躍するビジネスパーソンに必要な高い能力と、尊敬や共感をもって文化的多様性への理解を有する等の国際人としての良識を養うことを追及しています。1988(昭和63)年に創立されて以来発展を続け、現在では、年間800人以上、世界50カ国以上の学生が、このプログラムに参加しています。また、Financial Timesによるランキングで示されているように、世界的に評価の高い修士号として認識されています。
 CEMS正会員校とは、厳しい審査基準を通過してCEMSに加盟した大学のことです。各国から参加できる大学は1校と限られており、日本からは慶應義塾大学がCEMS正会員校として参加しています。慶應義塾大学では、商学研究科をはじめ、経済学研究科とメディアデザイン研究科がCEMS MIMプログラムを提供しています。商学研究科の学生は、所定の要件を修めることで、慶應義塾大学商学研究科からの修士号とあわせて国際経営学修士の学位が取得できます。

制度と応募条件

CEMS MIMプログラムは3つの期間で構成されます。すなわち、2つの大学教育期間(Term 1・Term 2)と、1つのインターンシップ期間(Term 3)です。2つの大学教育期間は、秋学期から翌年の春学期まで連続に設定し、それぞれ異なる加盟校で学びます。また、インターンシップ期間は、母校での修士課程在学中であればいつでも設定できます。CEMS MIM参加学生は、この3つの期間のうち2つを外国にて修める必要があります。
 慶應義塾大学を通してCEMS MIMプログラムのダブルディグリーを取得するには、まず慶應義塾大学大学院商学研究科、経済学研究科、あるいはメディアデザイン研究科のいずれかの修士課程への入学が必要です。商学研究科の場合、このプログラムに応募できるのは、原則として派遣時点で商学研究科修士課程に在籍する学生です。派遣の前年度の入学試験に合格した入学予定者も応募可能です。選考は春と秋に行われます。選考に関する詳細等はこちらを参照してください。
 また、海外のCEMS提携校に所属するCEMS生で慶應義塾大学への交換留学を希望する学生は、所属CEMS校内での選抜を経て、1学期間を慶應義塾大学で履修することができます。

商学研究科とCEMS MIM

 CEMS MIMは、CEMS提携企業とのネットワークにより、理論だけではなく実践にも強いプログラムを提供しています。慶應義塾大学も、そのようなCEMSに共通する高い質を保ちつつ、独自の強みを生かしたカリキュラムを組んでおり、商学研究科も幅広い分野のプログラムを提供しています。
 慶應義塾大学院商学研究科のCEMSダブルディグリー・プログラムへの参加により、慶應義塾大学において商学の知識を得るだけでなく、外国の大学において国際経営に関する知識と経験を得ることができます。加えて、プログラムの修了者は、国際的な視野と経験を兼ね備えていることを内外へ示すことができます。大学院修了後のキャリアの選択肢が、大きく広がることが期待されます。

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